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『孤独な夜のココア』






映画『ジョゼと虎と魚たち』を観て、読むようになった田辺聖子さんの作品。
といっても、田辺さんの作品、読んだのはこれが二冊目で、よく読んでいるというにはほど遠い。

そもそも、僕の読書においては、
「映画」に関係するものは、結構重要な転機を占めるものが多い。

最初に大人向けの本、
こう書くとイヤラシイ本に聞こえるけど、こども文庫とかではなく、普通の文庫という意味、を
初めて読んだのが、
アガサ・クリスティの「オリエント急行の殺人」。

これを読んだきっかけは、子供向けの「ABC殺人事件」を読んで、
アガサ・クリスティに興味を持っていたところ、
「オリエント急行殺人事件」がTVの日曜洋画劇場で放送されたのに、
起きていられずに眠ってしまったために、
駅前の本屋で、「オリエント急行の殺人」を買ってきたことにある。

SFを読みはじめたのも、
TVで「ブレードランナー」の酸性雨の降る暗い未来像にびっくりして印象に残っていたのを、
原作があることを知ってF.K.ディックの「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」を読んだから。

吉田秋生の漫画を読むようになったのは、
テレビの深夜映画で「桜の園」(リメイクではなく最初の方)を観て、
文庫版の漫画「桜の園」を買ったからというように、
並べてみると、影響されやすい性格であることがよくわかる。

で、『ジョゼと虎と魚たち』は映画館で観て、
ものすごく感動した映画のひとつで、
原作の文庫、サントラCD、パンフレット、DVDと揃いで持っている。
おまけにサントラを担当していた「くるり」というバンドにハマり、
大げさにいえば人生を左右されているともいえる感じだ。

『ジョゼと虎と魚たち』の原作と同じように、
こちらの『孤独な夜のココア』も短編集になっている。

短編の名前と、終わりの文章を引用すると、

『春つげ鳥』
「もしかしたら笹原サンは、わたしに、あの春つげ鳥を見せるために、わたしにめぐりあったのではないかと思われる。でも、笹原サンをこいしいと思うより春つげ鳥がなつかしいというのは、本末転倒かしら。」

『雨の降ってた残業の夜』
「恋というものは、生まれる前がいちばんすばらしいのかもしれない。」

『エイプリルフール』
「でもいまはもう、翌朝の午前一時、キヨちゃんのやさしさはうそではないかもしれない。」

『石のアイツ』
「世俗の風が舞いこんだとき、その幸福は石になったのだ。五年たってやっとわかった。」

『怒りんぼ』
「カッとなって怒れた日は、悲しみを知らない日だったのだ。」

こうして列挙しても、なんのことやら伝わらないと思うが、
この本を読んでみると、うまいなと思わされること必定。

いずれの短編も京阪神を舞台にした、男女の物語なのだが、
いま流行りの甘ったるい純愛の小説群よりも、
ドライで軽妙で、僕にはずっと好ましく感じられる。
著者が年齢を重ねているからだろうか(女性に対して失礼かもしれないですね)。

書かれたのは1970年代だと思うのだが、古いという感じはしない。
携帯電話やパソコンが生活の様式を大きく変化させても、
男女の関係や人間の感情はそれほど変化しないということだろう。
もちろん、それを描き出す著者の筆が優れているのは言うまでもないことだ。

(Mixiのレビューに加筆しました)
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